テスラが運行、電池式列車「ギガトレイン」の正体 ベルリン工場の専用線に導入、従業員を輸送
エルクナーで近郊電車からギガトレインに乗り換え、いよいよテスラ工場への短い旅が始まる。筆者が乗車したのは夕刻だったため、従業員らしい人の姿は見られなかった。3交替制での生産と聞いていたので、多くの従業員が乗車してくるのかと期待したが乗客はわずか数人と、肩透かしを食らった格好となった。
列車はしばらく、ベルリンとポーランドをつなぐ国際長距離列車も走る高規格路線をひた走る。この区間は電化されているため、パンタグラフを上げた「電車モード」での走行となる。
やがて列車は本線から分岐し、テスラの専用線へと入線する。ここからはバッテリーの電力による走行だ。筆者はバッテリーモードでの走りっぷりを期待したのだが、分岐地点からテスラ南駅までの約4.8kmは車両の回転半径ギリギリのカーブが続いており、スピードはゆっくり自転車で走るくらいの超低速となる。
一般人は外に出られない「テスラ南駅」
列車が遅い分、周りの様子はよく観察できる。TESLAと大きく掲げられた工場の真横を走るので近未来的な建物がつぶさに見られるほか、組み立てが終わった新車が搬出されるトレーラーの動きなどもよくわかる。おそらく同社が秘密としたい何かについては秘匿され、列車内からは見ることができないだろうが、それでも世界最新鋭のEV工場の外見が見られるだけでも大いにワクワクした。
なお、テスラ南駅の出入り口がそのまま工場のゲートになっているため、従業員以外は外に出られない。改札外が工場敷地で一般客は出られない日本のJR鶴見線海芝浦駅などと同様だ。
エルクナーに戻る列車には、退勤する従業員の姿が多く見られた。往路は工場関係の施設に目を奪われていたが、復路に列車の逆側を見ると、かつて東ドイツがカムフラージュのために植えた樹木が線路ギリギリまで植わっているのが観察できた。工場用地造成の際に行われたであろう樹木伐採作業はなかなか手こずる作業だったのではないかとしのばれる。
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