「これ絶対記憶あるって」「もうエンタメだろ」との心ないコメントも…島根で発見《記憶喪失の男性》をめぐる反応に"決定的に欠けた視点"

まるでドラマのようなニュースに驚いた人が多かったのではないでしょうか。
9月2日、記憶喪失となり「自分の身元を知りたい」という自称・田中一さんがテレビ番組に出演。田中さんは7月上旬に島根県奥出雲町の山沿いを通る道路脇で激しい頭痛に襲われて目が覚めたものの、自分の名前だけでなく、唐揚げやしょうが焼きなどの料理もわからなくなっていました。
カバンの中を見ると、財布の中身が空だったのになぜかポリ袋に入った60万円があり、一方で携帯電話はなし。
田中さんは記憶を取り戻すために、その60万円でキャンプ用品をそろえて野宿をすることにしました。それでも断片的な記憶しか戻らなかったことから、8月に入って島根県警に相談。しかし、顔や指紋などを調べても身元はわかりませんでした。
かつてはテレビ番組で公開調査をしていた
その後、田中さんは断片的な記憶をたどって大阪のミナミを訪れましたが、「持っている認識がなかった」というカバンに入っていたナイフの所持で逮捕。10日間にわたって勾留されてしまいました。
記憶喪失の事情を説明すると釈放され、福祉団体が受け入れてくれたことで、現在は飲食店でアルバイトをしながら暮らしているそうです。
田中さんがテレビ出演したのは「電話番号がない自分には、SNSで発信して情報提供を呼びかけることができないから」であり、いかに追い込まれた状態であったかを物語っていました。
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