フジテレビ、なぜ「元社長と元専務」に50億円訴訟? 中居正広氏の反論が招く"不測の事態"

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中居氏が本気でこの主張を貫きたいのであれば、自分から訴えを起こしてもいいはずだが、そのような動きは見られない。ただ、第三者委員会に対してしつこく反論を行い、説明を求めるばかりである。

港氏と大多氏を提訴して、この問題の責任の所在を明らかにして、早急に問題を片付けたいと考えているフジテレビが、中居氏のこのような動きを黙って見過ごしていられるかどうかはわからない。フジテレビが中居氏を提訴する可能性がゼロだとは言えないのはそのためだ。

旧経営陣への提訴で事態を収拾できるか?

今回の港氏と大多氏への提訴は、フジテレビが自らの危機を収束させるための象徴的な一手であり、経営責任を明確化することで事態の幕引きを図ろうとするものだと考えられる。

中居氏提訴の可能性というのは、話題としては刺激的で面白いが、今のところフジテレビがそこまで踏み込むかどうかはわからない。

港氏と大多氏に責任を集中させたフジテレビの選択は、合理的であると同時にリスクもはらんでいる。組織全体の体質改善が伴わなければ、また同じ過ちが繰り返されることになるだろう。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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