フジテレビ、なぜ「元社長と元専務」に50億円訴訟? 中居正広氏の反論が招く"不測の事態"
7月6日にフジテレビで放送された『検証 フジテレビ問題 〜反省と再生・改革〜』という検証番組の内容からも、この展開は予想できた。
そこでは複数の証言や資料に基づいて、港氏と大多氏が「悪役」として明確に浮かび上がるような構成が取られていた。はっきりと名指しされていたわけではないが、視聴者が彼らを主犯格として受け止めることを誘導するようなつくりになっていたことは否定できない。
この検証番組は単なる報道目的ではなく、フジテレビとしての立場や見解を世間に示すメッセージ性を帯びていた。同社が2人を切り捨てることで騒動に区切りをつけたいという意図が透けて見えた。
組織防衛の意図が見える
大企業における不祥事では、しばしば組織全体に責任が及ぶ。しかしフジテレビはあえて経営トップ数名に責任を集中させ、その処理をもって幕引きとする構図を描いている。
これは危機管理の定石だが、同時に「組織防衛の論理」が前面に出すぎているとも受け止められる。今後、新たな不祥事が表に出るようなことがあれば、より厳しい形で組織としての責任が問われることになるかもしれない。
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