【朝ドラ】「こんな本はこれ一冊にしてください」 やなせたかし、散々だった「あんぱんまん」の評判

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アンパンマン(写真:筆者撮影)
アンパンマン(写真:筆者撮影)
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」が、放送回を重ねるごとに注目を集めているようだ。漫画家のやなせたかしと妻の暢(のぶ)をモデルにした物語である。やなせたかしといえば、子どもたちに人気の「アンパンマン」の作者として知られているが、ブレイクしたのは69歳のとき。30代でマンガ家デビューを果たして以来、長く不遇の時代を経験している。遅咲きだったやなせたかしは、いかにして飛躍したのか。『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』の著者で偉人研究家の真山知幸氏が解説する。
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社長に直談判して雑誌を創刊することになる

1966年に山梨シルクセンターから発刊した詩集『愛する歌』が思わぬヒットとなると、やなせたかしは社長にこんな相談を持ちかけている。

「雑誌をひとつつくらせてくれませんか。詩の本ですから売れませんが、季刊でうすい本にして、編集費は無料でぼくが独力でやります」

社長があっさりOKしたために、創刊されたのが『詩とメルヘン』だ。予算は120万円で、レイアウト、絵、表紙すべてやなせが手がけた。東京高等工芸学校の図案科で勉強していた頃、学芸部に入って、学校新聞の編集をしていた経験が、このときに生かされたようだ。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズは、スタンフォード大学の卒業式スピーチでこんな言葉を言っている。

「未来に先回りして点と点をつなぐことはできない。君たちにできるのは、過去をふり返ってつなげることだけだ。だからこそ、バラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ずつながっていくと信じ続けることだ」

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