《大手企業も続々CM起用》なぜ『タイプロ』は落選者も引っ張りだこに? オーディション番組として異例状況の理由

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同じく、セミファイナルである5次審査まで残った鈴木凌は、interfmで冠ラジオ番組をスタート。女性向けキャリア支援サービス「SHElikes」のアンバサダーに就任し、CM出演も果たした。

本多と浜川と同じくファイナル審査まで参加していた浅井乃我は、アメリカの高校生としてオーディションに参加。番組終了後はアメリカの高校を卒業し、シリコンバレーで単独トークライブを開催。高いセルフプロデュース力を見せた。「日本でアイドル活動をしたい」と公言しており、近いうちに活躍する姿が見られそうだ。

山根航海も独自の道を歩んでいる。番組で見せたダンススキルとエンターテイナーとしての才能を活かし、SNSを中心に活動を展開。美容雑誌『VOCE』のWEB版にたびたび登場し、「タイプロ」ファンからの根強い支持を受けながら、新たなステージでの活躍を模索している。

なぜ「不合格者」がここまで活躍できるのか

なぜ、これほどまでに落選したメンバーが活躍できているのか。それは「オーディションを通して実力と人柄が可視化されていたから」だと筆者は考える。

「タイプロ」出身者は、企業から見てすでに大規模な「市場調査」を経ていると言える。視聴者の反応、SNSでの評価、ファンベースの規模まで、おおよそデータとして可視化されているのだ。

さらに「タイプロ」では、オーディション番組でよくある「悪編」がなかったのも大きいと感じた。悪編とは、チームメンバーの中で輪を乱すような振る舞いを大きく取り上げたり、パフォーマンスの失敗を際立たせたりする編集のことで、海外の公開オーディション番組ではよく見られる。

しかし、タイプロではそのような編集は多くなく、ストーリー性が重視され、候補生たちの魅力や人柄が視聴者に伝わるような構成になっていた。

その結果、落選が「終わり」ではなく「新たな始まり」として受け止められたのだろう。候補生の魅力や努力を丁寧に描き、結果として、落選後も「推し続ける」ファンの基盤が作られたのも大きい。

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