長嶋一茂「スタジオ退席! 」放送事故級トラブルを起こしても愛される理由
これは意識的にやっているわけではなく、生まれつきの資質から来るものだろう。計算ではなく本能的に動いているからこそ、視聴者は彼に嫌悪感を抱くことがない。「一茂ならしょうがない」と誰もが認めてしまっている。多くのタレントがきれいなイメージを守ろうと必死になっている中で、彼の無防備さは際立っている。
今回の退席騒動について真面目に考えるなら、これが放送されているということは、問題が大ごとにならず、円満に解決した証である。これをネタにすることについて、一茂側と番組側の間で合意が取れているのだから、本来ならここまで大きく騒ぐようなことではない。
でも、それがちょっとした騒動に発展してしまったのは、そこに一茂らしい生々しさがあるからだ。彼ならばこういう突飛な行動をしてもおかしくない、と誰もが理解している。収録を一時中断して、出演者やスタッフを待たせてしまうという迷惑な行動が、傲慢さの表れだというふうには見られず、単に微笑ましい出来事として受け止められている。
求められる「人間らしさ」
国民的スターの息子である一茂は、国民全体にとっての子供のような存在だ。彼はこの番組の視聴者からも「子供」としてかわいがられ、甘やかされ、愛されている。
今回のスタジオ退席騒動は、彼にとってマイナスの出来事ではなく、むしろ彼の人気ぶりを改めて証明する出来事だったと言える。視聴者は彼に「完璧さ」ではなく「人間らしさ」を求めている。放送事故になりかねないトラブルさえもエンターテインメントに変えてしまう力こそが、彼の人気の秘密なのだ。
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