JR東海が初公開「リニア河川橋」工事の進捗は? 山梨県で建設中、静岡工区も着工に向け議論進む

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要対策土の置き場所の問題は解決し、残る課題は処理方法など技術的議論に絞られた。28項目のうち、トンネル発生土は5項目中4項目が未解決。8月4日の協議で新たに対話完了となった項目はなかったが、対話完了に向けて大きく進展したといってよい。

8月13日には県と大井川流域の市町などでつくる大井川利水関係協議会が藤枝市で開催され、JR東海から県との協議に関するこれまでの進展について説明が行われた。島田市の染谷絹代市長は「理解が深まったし、私たちからも意見を言わせていただいた」としたうえで、「たび重ねて議論をやってもまだ理解が十分でないところがある。今後ともこうした場は開かれるべき」と述べた。

JR東海は率先して情報開示を

染谷市長の言うとおり、情報開示は非常に重要だ。橋梁の一般公開のようなイベントは県だけでなく、JR東海が率先して実施するべきだ。山梨リニア実験センターで行われるリニア車両の試乗会は競争率が数十倍だという。それを考えれば、橋梁を見たいというニーズも少なからずあるのではないか。安全性の観点から大人数は無理でも一度に16人以上の人を見学させることは可能なはずだ。

静岡工区をめぐる問題にしても、現在はJR東海のホームページよりも県のホームページのほうがはるかに詳しい情報公開をしている。JR東海が地域住民の理解を得たいとしているが、そのためにやるべきことは山積みだ。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げ。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に定年退職後の現在は鉄道業界を中心に社内外の媒体で執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京交通短期大学特別教養講座講師。休日は東京都観光ボランティアとしても活動。

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