JR東海が初公開「リニア河川橋」工事の進捗は? 山梨県で建設中、静岡工区も着工に向け議論進む
高架橋の幅は16mで、この場所を上下線のリニア車両が行き交う。2本の線路の上を鉄輪が走る鉄道とは違い、リニア車両はU字型のガイドウェイに沿って運行する。ガイドウェイはまだ設置されていないが、設置されると思しき場所に鉄筋が取り付けられており、これに沿ってリニア車両が走るのだと実感できる。

隣の橋脚を建設している様子も見えた。上部の橋桁が架かっていないので、橋脚の建設の様子だけ見れば、まるで高層ビルを造っているようだ。報道陣から「常永川はどこですか」という質問が出た。「あそこです」とJR東海の担当者が指差した先に川らしきものが見えた。川幅は10m程度あると思われたが、建設中の橋の巨大ぶりに比べると存在感が薄い。
予定より1年延びた完成時期
しばらくすると、ヘルメットをかぶった家族連れなどのグループがやはり担当者の案内で上部に上がってきた。県が「地域インフラ見学会」で公募した地域住民たちで、16人が参加した。中央市在住の小学6年の男の子は、「リニアに興味があって参加した。ここから大阪までつながるなんてすごい」と目を輝かせていた。また、甲府市在住の中学1年の男の子は、「完成すれば東京がすぐ近くになる。東京に行きたい」と話していた。

常永川橋梁に続き、隣接する釜無川橋梁に移動した。川幅は数百mあろうかという堂々たるものだ。この日の川の流れは細かったが、大雨時の水量は相当なものになるのだろうと推測できた。釜無川は古来、氾濫が何度も起きていたという。そのため、建設地の上流には川の氾濫を治めるために戦国大名の武田信玄が築いたとされる信玄堤がある。
建設場所に近づくにつれ、川の上に建てられている6本の橋脚が見えた。高さは約16mだという。橋脚どうしをつなぐ橋桁も一部で架けられている。まだ完成していないが、新幹線の高架橋と比べて頑丈に造られている印象を受けた。JR東海の担当者によれば、「時速500kmの走行に耐えられるよう強度を高めている」という。
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