JR東海が初公開「リニア河川橋」工事の進捗は? 山梨県で建設中、静岡工区も着工に向け議論進む

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2020年6月にもJR東海はヤード整備の要望を県に対して行ったが、このときは川勝平太前知事がヤード整備はトンネル工事と一体であるとして工事を認めなかった。

現在の鈴木康友知事も県がJR東海に求めている28項目の対話が終わるまではトンネル工事を認めないという立場を取るが、「本体工事の性質はなく、準備工事の位置付け」というJR東海の考えを踏まえ、工事が動き出す可能性が出てきた。

8月4日には県の専門家とJR東海との間で議論が行われ、静岡工区のトンネル発生土のうち、自然由来の有害物質を含むといった理由で汚染対策が必要な「要対策土」の議論において進展が見られた。トンネル発生土は複数の場所に盛り土として置かれる。JR東海の計画では要対策土は工事現場から数km離れた南アルプスの「藤島」と呼ばれる地域に置くことになっていたが、川勝前知事はこれを認めなかった。

県との対話「完了」へ大きく進展

その理由は、熱海市の土石流災害を受け2022年7月に施行された県の盛土環境条例に基づく。要対策土を用いた盛り土は原則禁止となり、条例の適用除外を受けるためには要対策土は適切な生活環境保全措置を講じたうえで同じ事業区域内に置く必要がある。JR東海はトンネル工事現場と藤島は同じ事業地域であると考えていたが、川勝前知事は、藤島は現場から遠く離れており同じ事業区域ではないとして認めなかった。

しかし、鈴木知事に交代して流れが変わった。県は国土交通省に照会して、藤島発生土置き場における盛り土計画は国交省が認可したJR東海のリニア工事実施計画に含まれているという回答を8月4日に得た。県は即日、JR東海に対して藤島はトンネル工事と同じ事業区域にあるとJR東海に伝えた。

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