「彼らを全面的には否定できない」犯罪学の専門家が指摘「私人逮捕系YouTuber」が“警察の代わり”になるーーが暴論とも言い切れないワケ

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とはいえ、デジタル化が進み、あらゆる物事が数字で可視化される現在。アテンション・エコノミー(※)に則ったコンテンツが求められるようになっていることは間違いない。

報道機関などのメディアでも、数字を意識したコンテンツづくりは必須になりつつある。

しかし、そこだけに振り切っては、破綻が目に見えている。規模や方針や目的は違えど、ユーチューバーもメディアも、「何のためにしているのか」「何を実現したいのか」を常に考え、模索し、試行錯誤していく必要はありそうだ。

※デジタル化によってあらゆる物事が数字で可視化されるようになった現在、コンテンツの「再生回数」「拡散された回数」「インプレッション(表示回数)」「コメント数」などは明確な基準として金銭的価値を持つようになっている。この現象は「アテンション・エコノミー」と呼ばれる。

「私人逮捕系ユーチューバー」が警察の補完になる?

社会学者・犯罪学者の小宮信夫教授が、SurfvoteというWEBサイト内で、「私人逮捕系ユーチューバーの活動を認めるべきか?」というアンケートを行った。

すると、「賛成」「否定」以外の第三の意見として約10%を占めたのが、「警察の監督下で管理されるなら、私人逮捕系ユーチューバーの活動を認めるべき」だった。

コメントの一部を紹介していく。

・悪いことをした人が捕まることはいいと思うが、私人逮捕系YouTuberの動画を見て、少し危ないなやりすぎだなと思うことがあるが、警察の監視下だったら安全な気がする。
・社会において法の厳粛さを新たな形で提示し、視聴者にリアルな法執行の一端を味わわせることが出来ると思います。挑戦的なアプローチこそが、法に対する深い理解を醸成し、公正な社会を築くための鍵となると信じています。

世直し系ユーチューバーたちの活動には、メリット・デメリットがそれぞれある。そこで、彼らに自由に行動させるのではなく、警察が管理監督し、適切な方法で世直し活動をしてもらうことで、メリットを最大化し、デメリットを最小化するというわけだ。

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