アリババ傘下「フーマー」、会員制倉庫店から撤退 最盛期に10店舗、事業集約で収益改善を加速へ

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フーマーは会員制倉庫型量販店の多店舗化を目指したが、参入から5年で全店が姿を消すことになった。写真はすでに閉店した北京市のX会員店(フーマーのウェブサイトより)

中国のEC(電子商取引)大手、阿里巴巴集団(アリババ)傘下の生鮮スーパー「盒馬(フーマー)」は、5年前に参入した会員制の倉庫型量販店事業から完全撤退する。

フーマーは「盒馬X会員店」という名称で、最盛期に10店舗の会員制倉庫型量販店を展開していた。しかし2025年に入って段階的な事業縮小に着手し、4月に上海市内の3店舗の営業を終了。7月には北京市、江蘇省蘇州市、江蘇省南京市の各1店舗を閉鎖し、最後に残った上海市の1店舗も8月末に閉店する。

コストコやサムズに追随

X会員店は、フーマーがアメリカのコストコやサムズ・クラブなどの会員制倉庫型量販店をモデルにして立ち上げた新業態だった。2020年10月に上海市に1号店をオープンした後、2023年末までに上海市に6店舗、北京市に2店舗、蘇州市と南京市に各1店舗を出店した。

この時期は、中国の小売業界における会員制倉庫型量販店の勃興期だった。アメリカから進出したコストコやサムズ・クラブの人気の高まりを受け、中国の小売り大手が次々に追随。フーマーのほか、ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が出資するスーパーチェーン「永輝超市」や、当時はアリババ傘下だったスーパーチェーン「大潤発(RTマート)」なども参入した。

(訳注:アリババは2025年1月、約8割を保有していた大潤発の親会社の株式をすべて投資ファンドに売却した)

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