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林立はもはや東京や大阪だけの出来事じゃない! タワマンの「5戸に1戸が地方都市」という衝撃事実の背景

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー
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彼らは、街で一番背の高い建物の最上層階を自らのものにすることに執念を燃やします。あたかも天下を取ったような気分になるのでしょうか。天守閣で街を睥睨(へいげい)するのは自分であるという快感に浸りたいのでしょうか。

もちろん彼らはすでに豪邸を所有しているのが普通ですので、タワマンを居住用に使うことは少なく、自らの会社の福利厚生施設や、接待用に利用するなどの目的が多いのですが、どの住戸を誰が買ったかは街中で評判になるといいます。

くわえて高齢の富裕層ともなると、そろそろ相続も心配になります。借入金でタワマンを持っておくことは税務対策も含めて良いことづくめなのです。

一気に再開発できる便利手法「市街地再開発事業」

大都市圏の主な鉄道の駅前といえば、古くからの商店などが所狭しと立ち並び、アーケードがあって雨の日でも濡れることなく買い物ができる商店街が形成されてきました。ところが最近、こうした商店街の一角が取り壊され、タワマンが建設される事例が後を絶ちません。

平成バブルと呼ばれた昭和末期から平成初期。地上げ屋といわれる開発業者がスーツケースに札束を入れて土地を買いに来て、言うことを聞かないオーナーの家屋にダンプカーで突っ込む、火をつけるなどの嫌がらせをしてまでも土地を手に入れることが横行しました。

では現代でも、またぞろ不動産価格が上がってきたので、地上げ屋が横行しているのかといえば、そうした報道もなされていません。

それもそのはず、現代では札束持って一軒一軒地上げに勤しまなくとも、一帯開発する便利な手法が考案されているのです。市街地再開発事業という国で定められた手法を使うのです。

「市街地内の、土地利用の細分化や老朽化した木造建築物の密集、十分な公共施設がないなどの都市機能の低下がみられる地域において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることを目的としています。建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業です」(国土交通省資料より抜粋)

具体的にご説明しましょう。

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【全員にうまみがあるスキームとは?】

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