「猫に良かれと思った飼い方がストレスになることも」≪猫が本当に喜ぶ家≫を作る”猫ファースト建築士”の猫愛あふれる生き方

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当初は牛乳を猫にあげてはいけないことも知らなかった清水氏。しかし、かかりつけの獣医に話を聞いたことがきっかけになり、猫とその環境を知る重要性に気づいた。

「猫に良かれと思った飼い方がストレスになり、病気を招く場合もある。しかし獣医は病気や怪我については飼い主さんに説明できるが、住環境のアドバイスが得意ではない。

そこで、まずは自分の猫のために自分で調べてみようと思った」

設計を引き受ける際は猫の性格などもヒアリングする(撮影:梅谷秀司)

それが2009年ぐらいのことで、当時、猫についての資料といえば飼い方の実用書が数冊程度。そこでペット産業に関わる人たちに会いに行ったり、猫についてのセミナーに参加するなどして、自らの足で情報を集めていった。

ねこ検定の監修も

蓄えた知識は生き物としての猫だけでなく、文化としての猫にも及んだ。自然と、ペットの業界や保護猫活動家、猫好きな人、メディアなど、ネットワークができていった。

やがて「猫の専門家」として設計依頼が舞い込むようになり、メディア出演や講演、さらには「ねこ検定」の監修まで任されるようになる。

猫にとって快適で、住居に美しくなじむデザインのキャットウォーク(撮影:梅谷秀司)

ただし、清水氏自身は獣医ではないため、医学的な専門知識を語ることは意図的に避けている。

(撮影:梅谷秀司)

それでも「猫の文化、習性、飼育環境」について総合的に把握する存在として、信頼を集めている。

たとえば、ユリやポトスなどの観葉植物、玉ねぎやチョコレートなど、人間にとっては無害な食品や植物が、猫にとっては命にかかわる危険物であることはあまり知られていない。

清水氏はこうした知識を、本業である設計や、その他さまざまな機会を通じて伝え、猫が健康に暮らせる環境を広げていきたいという。

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