「続投宣言」はどこまで本気なのか? 石破首相に迫りくる2つの"辞め時"とその現実味

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このやり取りについて、ほかの野党には「自民と立憲のなれ合いでの決着は許されない」(維新幹部)、「将来の『大連立』をにらんだものではないか」(国民民主党幹部)といった疑心暗鬼が広がっている。

その一方で、参院選で苦戦を強いられた維新の幹部からは、首都の中枢機能を代替できる「副首都」構想について「首都直下型の地震などのリスクを考えると、首都機能のバックアップは必要で、日本経済が成長するという経済成長戦略にもなる」などとして、自公両党の協力を求める意見が相次ぎ、集中審議でも維新委員が政府の見解を求めた。

対する石破首相も「首都機能を代替できるものは必要で、まったく異存はない。政府も総務省を中心に議論する必要がある。理念を語っても仕方なく、法律に基づいて議論する体制の構築が一刻も早く必要だ」と前向きに対応する姿勢を示した。

これについて、ほかの野党には「維新は自公政権との連立や部分連合を狙っている」(立憲民主党幹部)との見方が多い。これも野党陣営の足並みの乱れにつながりかねない状況だ。

9月以降は大政局に発展する可能性も

さらに、過去に例のない衆参両院での「少数与党政権」に対して、立憲民主党の野田代表が「参院選の総括を優先する。対決姿勢を示すのは秋でいい」などとして、内閣不信任決議案の提出を先送りすると表明。与野党の本格的な攻防は、9月以降に想定される次期臨時国会に持ち越しとなった。

これに対して同党の小沢一郎衆院議員や、国民民主党の玉木雄一郎代表は「参院選の民意を無視する対応だ」と厳しく批判するなど、野党側の亀裂も表面化している。場合によっては9月以降、政界の枠組みも含めた大きな政局に発展する可能性がある。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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