速度が上がっていくと、フロントの浮き上がりを防ぐためのSダクトと、後半のダウンフォース効果が働く。結果、車体は路面に張り付くように走れる。
「モデルチェンジのたび、先代を超える性能を発揮するのが、ランボルギーニ車の伝統」
これがモア氏の開発におけるモットーとのこと。1万rpmを実際に体験できるのは、まさに言葉どおりの性能だ。

エンジン音は外から聴いていると、意外なほど静かだ。ヨーロッパの騒音規制にのっとったものだろう。
一方で車内では、乾いた中低音が耳に心地よい。加えて、エンジンの振動がフレームを通じて乗員に伝わるような設定になっている。
「サウンドとバイブレーションはともに重要な要素です」
ランボルギーニのエンジン設計担当者は、そう語っていた。
「Sonus Faber」オーディオシステムもあれど
そういえば、テメラリオにはイタリアの高級オーディオメーカー「Sonus Faber(ソナス・ファベール)」の10スピーカーシステムがそなわる。

エンジンをかけていない状態で聴かせてもらったときは、音の再現力が高く、たいへんいい気分だった。しかし、走り出すと、せっかく再生された音もほとんど聞こえなくなってしまう。
400万円を超えるようなフロアスピーカーも手がけるソナス・ファベールのスピーカーを搭載しながら、「エンジン音を聴かせるのがなにより大事」というのが、ランボルギーニの方針なのだそうだ。
現地で再生のデモンストレーションをしてくれた同社の担当者は、複雑な笑い顔をつくっていた。

走りは、想像していた以上に速い。速いが、しかし、乗りやすい。かなり速度が上がっても、コーナーを回っていくときはニュートラルステア。
「スポーツカーに慣れていない人でも楽しめる」というエンジニアの言葉も、あながちウソではなさそうだ。
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