“夏の脂肪肝”の原因は毎日ビールを飲んでるせいではなかった!猛暑の時期に肝臓にダメージを与える”超意外”な真犯人

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それと、夏、ビールをよく飲む人が気にしているのがおなかの出っ張り具合です。「ビール腹」という言葉があるように、ビールが太る原因になると思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、じつはこの点でも「ビールは無罪」なのです。ビール500㎖は約200キロカロリーあるのですが、こうしたアルコール自体のカロリーが肥満につながることはありません。アルコールに含まれるエネルギーはすぐ熱量として放出されてしまうため、体内に蓄積されないのです。

では、ビールなどのアルコールをよく飲む人に太った人が多いのは、なぜなのか。その原因はアルコールではなく、一緒に食べるつまみにあります。アルコールが入ると食欲が増し、ついついたくさんつまみを食べすぎてしまうのがいけないのです。

とりわけ、注意すべきは「糖質の多いつまみ」です。例を挙げれば、ポテトサラダ、ポテトフライ、たこ焼き、焼きそば、焼きうどん、ピザ、フルーツ盛り合わせなどのメニューはなるべく避けるべき。さらに、さんざん飲んでつまんだ後の締めとして、ラーメン、お茶漬け、おにぎりなどを食べたら、当然、糖質過剰となり、太るのはもちろん、脂肪肝も進みやすくなります。

ですから、「ビール腹」が気になる人は、まずはつまみを見直すべきです。ビールにおすすめのつまみは、枝豆、冷奴、お刺身、唐揚げ、ナッツ類、チーズ、だし巻き卵、きのこのホイル焼き、野菜スティック、野菜サラダ、海藻サラダ、酢の物など。また、夏バテを防ぎたいなら、肉料理や揚げ物、てんぷら、うなぎなどの脂っこいメニューを積極摂取するといいでしょう。夏に活力を落とさないようにするには、脂肪やたんぱく質をしっかり摂るほうがいいのです。

「夏のよろこび」を失わないために

とにかく、これで「夏のビールと健康」に関して、もやもやしていた点がはっきりしてすっきりした方も多いのではないでしょうか。なかには、「よーし、これで遠慮なく飲めるゾ」と舌なめずりしている人もいるかもしれません。

ただ、繰り返しになりますが、適量を大きく超えて飲んでいたり、糖質の多いつまみを野放図に食べていたりしてはダメ。「クワーッ、これだよ、これ!」というあのよろこびをこの先の人生でずっと味わい続けていくためにも、ぜひみなさん肝臓に負担をかけない飲み方を心がけていくようにしてください。

栗原 毅 栗原クリニック東京・日本橋医院長

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くりはら たけし / Takeshi Kurihara

医学博士。北里大学医学部卒業。慶應義塾大学大学院特任教授、東京女子医科大学教授を歴任。2008年、メタボリックシンドロームや糖尿病などの生活習慣病の予防と治療を目的とした栗原クリニック東京・日本橋を開院。「血液サラサラ」の提唱者の1人でもある。主な著書・監修書に、『決定版!内臓脂肪を落とす名医のワザ』『ズボラでも中性脂肪・コレステロールは下げられる!』(ともに宝島社)、『栗原式 書いて下げる魔法の血圧手帳』(笠倉出版社)、『お茶のすごい健康長寿力 高血糖、高血圧、肥満、内臓脂肪から免疫力、認知症、不眠、イライラまで効く!』(主婦の友社)など多数
 

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