ただ、夏が肝臓にダメージがたまりやすい季節であることは事実です。私のクリニックでも、夏場、体調を崩して来院した患者さんを検査すると、脂肪肝で肝機能が低下していたケースが少なからずあります。
では、夏に脂肪肝が進んでしまう原因は、(ビールが問題ないとしたら)いったい何なのか。
その原因はやはり糖質の摂りすぎです。なかでも私は「甘いドリンク類」を多量に飲んでいることを問題視しています。
たとえば、暑い中、熱中症予防の水分補給代わりにスポーツドリンクを飲むのは絶対にやめるべき。スポーツドリンクには非常に多くの糖分が含まれているため、日常的に口にしているとたちまち糖質過多となって脂肪肝が進んでしまうことになるのです。
同じように、夏は冷たいコーラやサイダー、シェイク、フルーツジュースなどを飲む機会が多くなるもの。たぶん、暑い日にこうしたキンキンに冷えた甘いドリンクを一気に飲み干している人も多いのではないでしょうか。
つまり、暑いからといってこういったドリンク類を無節操に飲んでいると、日々糖質オーバーの状態が続き、余分なブドウ糖がどんどん中性脂肪に変えられて、着実に脂肪肝が進行していってしまうことになるわけです。
アイスクリームや果物も食べすぎはNG
それに、夏はアイスクリームやかき氷、冷やしたゼリーやプリンなどを食べる人も多いと思いますが、これらにも多くの糖分が含まれています。たまに食べるくらいなら問題ありませんが、冷蔵庫に大量にストックしておいて1日に何個も食べるような生活を続けるのは、やはり肝臓によくありません。
それと、ブドウ、スイカ、メロン、桃などの果物も摂りすぎは禁物。私の患者さんには、1週間シャインマスカットを食べ続けていたら、それだけでみるみる肝機能が悪化して脂肪肝になってしまった方がいらっしゃいます。果物に含まれる果糖は、腸から吸収されると肝臓にダイレクトに運ばれるため、脂肪肝を加速させる大きな原因となるのです。
このように、夏には糖質摂取過剰になる原因がたくさんあるのです。言わば、「甘くて冷たい誘惑」に負けて、こうしたものをついつい口に入れてしまう習慣が、夏に肝機能が低下する大きな原因となっているわけですね。
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