「孫正義」側近、幹部、ライバルが明かす正体 世界進出開始から3年、周囲が見た実像とは
グループ役員が語る、孫社長
君和田和子 ソフトバンクグループ執行役員 経理部長
ソフトバンクの場合、投資案件は社長に直接話がきて、社長が興味を持つと、自ら相手と会ってくる。そして「こういう話をしてきた、お前らはどう思う?俺はいいと思うぞ。ぜったいやるぞ」となる。スーパープレイングマネジャーです。会議は突然開かれることもあって、何時までなのかと聞いたら「予定が空いているならエンドレスだ」。
普通の人と違って、事業欲が並大抵じゃない。公式には60代で引退するなんて言っているけど、本当に69歳でスパッと終われるのかと。元気いっぱいで、機関銃のようにしゃべる永守さんを見て、社長が69歳までにやめるわけがないと思いました。
青野史寛 ソフトバンクグループ執行役員 人事部長
普通の人と違って、事業欲が並大抵じゃない。公式には60代で引退するなんて言っているけど、本当に69歳でスパッと終われるのかと。元気いっぱいで、機関銃のようにしゃべる永守さんを見て、社長が69歳までにやめるわけがないと思いました。
青野史寛 ソフトバンクグループ執行役員 人事部長
孫社長はビジネスモデルを考えるのが三度の飯より好きで、朝から晩まで考えている。思いついたら議論をしたくなるので、元旦にもメールが飛んできた。「会議をやるから人を集めろ。3日に全員集合だ」と。会議の第一声は「休みの間、みんな仕事がしたくてしょうがなかっただろう!」。これには驚いた。
宮川潤一 ソフトバンク専務取締役 スプリント シニアテクニカルアドバイザー
宮川潤一 ソフトバンク専務取締役 スプリント シニアテクニカルアドバイザー
(スプリント買収発表後、同社の立て直しに際して)孫さんはいちばんじゃないと嫌な性格なので、どっかでいちばんにしてやらにゃいかんと思っている。あの人はいつも次のことを考えている。欲望というと怒られるけど、次の絵を描くことは趣味だから。スプリントの買収は(まだ完了していないが)もう終わったことになっている。これからやるのは僕たちだけどね。
後藤芳光 ソフトバンクグループ常務執行役員財務部長、福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行
後藤芳光 ソフトバンクグループ常務執行役員財務部長、福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行
孫社長はよく「経営はストリートファイトだ」と言っている。どういうことか。それは経験が大事だということ。ケンカは建物の中だったり、野原だったり、色々な場所で戦うでしょ。そうした色々な局面で経験の多い者が勝つということだ。
藤原和彦 ソフトバンク専務取締役CFO
(孫社長はいつから本格的な世界展開について意識し始めたか?という質問に対して)世界を意識すると言う方向に変わったのは2010年の「新・30年ビジョン」だと思う。あのときにロボットなどさまざまなビジョンを発表している。それから仕込んできたものが、2012年のスプリント買収や2014年のペッパー発表などに現れていると考えてもらえればいいと思う。
頭の中はビジネスモデルだらけ?
幹部の言葉からは、短期、長期でビジョンを構想し、独自の経営哲学を持つ、アグレッシブな孫社長の姿が浮かび上がってくる。
宮川氏や青野氏のエピソードからすると、孫社長は年中無休でビジネスモデルを考えているのだろう。
以前、孫社長はある交渉に際し、「お前が嫌いだから嫌だと言われたらどうしよう」と考え込んでいた。逆に言えば、それ以外の想定問答は考えつくし、相手にイエスと言わせる準備を整えていたということだ。「頭がちぎれるくらい考えろ」が孫社長の口ぐせだが、これは本人が日々実践する中で、生まれた表現なのかもしれない。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら