100%電動化の方針変えぬアウディの最新作「Q6 e-tron」が「新時代BEV第1号」である理由は、クルマだけでなく生産工程にもあった!

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アウディジャパンの広報担当者も、「日本でのBEV販売は、2024年こそ2023年より少しシェアを落としていますが……」と前置きしたうえで、「それでもBEVを推していく路線に変更はありません」と続けた。

アウディが日本で販売するBEVのSUVには、「Q4 e-tron」「Q4スポーツバックe-tron」「Q8 e-tron」「Q8スポーツバックe-tron」「SQ8スポーツバックe-tron」の5モデルが存在。

アウディ「Q4 e-tron」(写真:アウディジャパン)
アウディ「Q4 e-tron」(写真:アウディジャパン)

Q4 e-tronの日本導入は2022年10月。Q8 e-tronは2023年3月だが、ベースになった「e-tron」が登場したのは2019年だ。

比較的長い歴史をもつアウディのBEVだが、今回のQ6 e-tronで新時代に入ったともいえる。

生産工程も新時代に

Q6 e-tronのPPEプラットフォームには、12のモジュールと180のプリズムセルで構成された新開発のバッテリーを搭載。

標準バッテリーには800ボルトテクノロジーを採用しており、(ヨーロッパでの)最大充電出力は270kWに達する。

バッテリーの性能を引き出すのに重要な冷却については、高効率とコンパクトさを目的としたドライサンプ方式の新システムを使っている。駆動用モーターには、ヘアピンコイルを採用するPSM(永久磁石同期モーター)を採用。

もうひとつ、PPEの特徴としてアウディがあげるのは、生産工程だ。

CO2排出量「ネットゼロ」をうたうインゴルシュタットの工場(写真:アウディ ジャパン)
CO2排出量「ネットゼロ」をうたうインゴルシュタットの工場(写真:アウディジャパン)

Q6 e-tronは、アウディ本社隣接のインゴルシュタット工場で生産される初のBEV。インゴルシュタット工場は、エネルギー需要のほぼすべてを再生可能なエネルギー源でまかなっているとされる工場だ。

2012年よりグリーン電力のみを使用。さらに、隣接する製油所と都市廃棄物リサイクルプラントから供給されるネットカーボンニュートラルな廃熱を利用している。

ネットカーボンニュートラル(多くの温室効果ガスの排出ゼロ)であることが、この工場の特徴。

性能的にも、PPEには見るべき点が多い。ひとつは、HCP(ハイパフォーマンス・コンピューティング・プラットフォーム)。5台の高性能コンピューターを使う、新しいドメインコンピューター構造だ。

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