「コメの値上がりはトランプのせいか?」、シルクロードの中心で日本のコメ問題について聞かれた不意打ち。世界一周旅、新疆ウイグル滞在記

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新疆国際大バザール (新疆国際大巴扎)
新疆国際大バザール(新疆国際大巴扎)へ行ってみた(写真:筆者撮影)
経済ジャーナリストで、法政大学MBA兼任教員の浦上早苗さんが挑戦した50歳からの“おひとり様”世界一周。その旅を通じて見えてきたもの、感じたことを、ありのままに綴る連載が「シン・世界一周〜人生後半、日本を学び直す旅」です。
今回は前々回・前回で紹介した「中華系キャリアの激安ビジネスクラス搭乗記」の旅程中、トランジットで立ち寄った新疆(しんきょう)ウイグル自治区・ウルムチでの滞在の様子について。前編の本記事は、運転手とのやりとりで突然飛び出した「日本のコメ問題」に驚いた話をお届けします。
【後編】背後から近づくロボット犬、近代的なモール…新疆ウイグルの「観光都市」ウルムチ、《世界一周一人旅》の途中で6時間街歩き

4月中旬、中国の2つの空港でトランジットし、合計60時間かけてジョージアに到達する航空券を予約した。タイパ最悪のフライトを選んだ理由はただ一つ、新疆ウイグル自治区の首府(省都)ウルムチに23時間滞在できるからだ(詳しくは、前回記事「エコノミーより安い「中華系激安ビジネスクラス」で欧州に飛んだ顛末。目的地まで60時間、2泊トランジット。でもホテルは無料の不思議記事」を参照)。

中国は隣国だが、西の果てにある新疆は遠い。日本からの直行便はなく、北京や上海で乗り継いで10時間以上かかる。

新疆は遠いだけでなく、「自治区」にしてはえらく大きい。面積は166万平方キロメートルと中国の6分の1を占め、日本の4.5倍もある。東は甘粛(かんしゅく)省、北はロシア、モンゴル、西はパキスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギスなどと接する。

機内からの眺め
ウルムチに降り立つ20分ほど前。機内からの眺め(写真:筆者撮影)

全日空が2001年に初めてチャーター便を運航するなど、かつてはさまざまな民族や文化が行き交い、旅情あふれる「シルクロードの中心都市」というイメージだった。ところが近年はウイグル族の強制労働や人権侵害が取りざたされ、怪しげ、恐ろしげな雰囲気が漂っている。

筆者がウルムチにいるときに日本人の知人から連絡があり、「今新疆にいます」と告げると、「え? 新疆って外国人も入れるの?」と聞き返された。ウルムチは大都会であり他の都市と同じように入れるのだが、普通の日本人にとっては、「禁足地」「ディストピア」みたいな場所に映っているかもしれない。

シルクロードで日本のコメ問題を語る

ウルムチの空港に到着したのは午後9時すぎ、筆者も足を踏み入れるのは初めてだ。保安検査がかなり厳しいという情報がちらほらあったが、前日に鄭州(ていしゅう)で入国手続きを済ませていたからか、何もチェックされることなく空港を出ることができ、いささか拍子抜けした。

ウルムチの空港
ウルムチの空港。中央アジアと中国の大都市を結ぶフライトが多い(写真:筆者撮影)
【この記事の写真】ウルムチの国際大バザールへ行ってみた(7枚)
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