山下達郎のCM曲も…スライドドア初採用の新型ムーヴに「1980年代っぽさ」を感じる確かな理由

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新型タントは、ドアトリムにも工夫がある。スライドドアを採用すると、当然ながら車両重量が増加してしまう。そこで、内側に発泡構造とした素材を起用することで、軽量化を実現しているのだ。

これまでトラックに用いられていた素材だといい、一体成型で表面は硬い一方、内部が発泡構造となるため、強度と軽さを両立しているとのこと。軽自動車ならではのテクノロジーといえよう。

荷室のフロア下には収納(ラゲージアンダーボックス)がある(筆者撮影)
荷室のフロア下には収納(ラゲージアンダーボックス)がある(筆者撮影)

その結果、試乗したX・2WDの車両重量は860kgと、ムーヴ キャンバスの同等グレードより10kg軽くなっている。

ただし、自然吸気エンジンとの組み合わせでは、加速は控えめだ。スタイリングにふさわしい疾走感を求めるなら、ターボを選んだほうがいいかもしれない。

ターボエンジンは2WD/4WDともに最上級のRSのみ。写真はRSノーブルシックスタイル(筆者撮影)
ターボエンジンは2WD/4WDともに最上級のRSのみ。写真はRSノーブルシックスタイル(筆者撮影)

感心したのは乗り心地とハンドリングのバランスで、足回りは日常的なシーンでの快適性を保ちつつ、ペースを上げると安定性があり、ステアリングが速度に応じて手応えが増す設定であることが好ましかった。

タントやムーヴ キャンバスと比べると、エンジン以外は走りを意識したチューニングであることは明らかだ。

ダイハツ独自のパッケージは功を奏すか?

軽自動車は、以前からターゲットユーザーを絞り込み、それに合わせた明確な作り込みが際立っていた。

新型ムーヴはそれをベテランの男性ユーザーに向けたことが、見た目からも走りからもしっかり伝わってくる。

「スライドドアのハイトワゴン」というダイハツ独自のパッケージとあわせて、ライバルたちへの競争力となるだろう。

【写真】シャープに生まれ変わった新型「ムーヴ」の内外装をもう一度チェック!(50枚)
森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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