山下達郎のCM曲も…スライドドア初採用の新型ムーヴに「1980年代っぽさ」を感じる確かな理由

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ムーヴ キャンバスは、ムーヴファミリーとして初めてスライドドアを備えたモデルだ。

女性ユーザーを意識した、癒し系のエクステリアやインテリアも特徴であるが、ユーザーの購入の決め手となったのは、スライドドアの存在が大きかったという。

レトロ風のデザインやボディカラーで人気を博す「ムーヴ キャンバス」(写真:ダイハツ工業)
レトロ風のデザインやボディカラーで人気を博す「ムーヴ キャンバス」(写真:ダイハツ工業)

そこでダイハツでは、ムーヴ キャンバスのパッケージングを生かしながら、「静」のムーヴ キャンバスに対する「動」の造形を与えて、ベテランの男性ユーザーにも受ける姿を目指した。それが新型ムーヴになったというわけだ。

現在はユーザーの嗜好が多様化しているが、1970〜1980年代は、今よりも若者のクルマへの熱量は高く、「スポーティなクルマがカッコいい」という意見が、今よりはるかに多かった。運転免許保有者の男女比も、およそ7:3と男性比率が高かった時代だ。

新型ムーヴの、いかにも走りそうなシャープなフォルムは、そんな時代にクルマに興味を持ち始めた人たちの好みを反映していると感じられたのである。

今回、試乗したXグレードの全景。随所にシャープなディテールが見える(筆者撮影)
今回、試乗したXグレードの全景。随所にシャープなディテールが見える(筆者撮影)

全体的には線の多いビジーなデザインで、個人的にはもう少しすっきりさせてほしいと思ったが、心配性が多い日本人は、作り手も買い手も要素が多いほうが安心すると筆者は考えているので、ユーザーの好みに合った造形ともいえる。

「ムーヴらしさ」として、開発スタッフはリアの縦型コンビランプを挙げた。ただし、新型のそれは一直線ではなく、下側が内側にカーブしている。

テールゲートは「跳ね上げ式」を踏襲する(筆者撮影)
テールゲートは「跳ね上げ式」を踏襲する(筆者撮影)

前後のバンパーコーナーの三角形を統一させ、全体として一体感を出したことは評価できるものの、先代まではルーフからバンパーレベルまで貫いていたので、「らしさ」にこだわるなら、そのスタイルを継承してほしかった。

「カスタム」から「アナザースタイル」へ

新型ムーヴでは、初代に「裏ムーヴ」として設定されて以来、先代までラインナップされてきた「カスタム」が消滅したことにも気づく。

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