「賞金以上に、出場者にとっては、負けてしまうと『この人より怖くない』というレッテルも貼られてしまうわけじゃないですか。だからみんな腰が入るというか、本気で怖がらせにきましたね。そうなった怪談師が集まると、想像では測れないような感動を生むんだなと。優勝者が決まった瞬間、涙を流すお客様もいらっしゃいましたから」
「T-1グランプリ」への出場がきっかけで認知度が上がり、ほかの大きなイベントにも出演するなど、活動の機会が増えた怪談師もいるという。実はこれも狙いなのだと、たっくーさん。
すごい怪談師はたくさんいるものの、稲川淳二さんレベルの人はまだまだ少ない。怪談師たちが活躍できるチャンスがもっと増え、しっかり稼いでいけるようになれば、怪談文化がより盛り上がるのでは、と語った。
ちなみに「T-1グランプリ」は、一旦は2025年をもって休止するが、2年後にはまた復活させる予定だ。2年のブランクの理由については、「僕が『天中殺』に入るんです(笑)。なので、おとなしくしておこうかなと」のことだ。

“怪談師”ばりに怖く話す方法
ここまで本記事を読んで、「怖い話をする側になりたい!」と思った方もいるのでは。筆者もその1人であることを告白しつつ、たっくーさんに怖い話をする際のコツを教えてもらった。
まず大事なのは「つかみ」。話の長さが5分でも15分でも、最初の1分で視聴者を引き込むことがとても重要だという。たっくーさんは実際の例を挙げてこう説明する。
「怖い話をする前に、『僕ってまったく霊感がないんです。そんな僕でも、おばけを見ることができる場所を知っています』とまずは話すんです。視聴者は霊感のない人がほとんどでしょうし、『どこだろう?』って思いますよね」
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