
中国とアメリカを結ぶ国際コンテナ航路の運賃が乱高下している。アメリカと中国が5月の貿易協議で追加関税の90日間引き下げに合意したのをきっかけに、コンテナ運賃は一時急上昇した。しかし6月上旬をピークに下落に転じ、7月に入っても下げ止まらない状況だ。
上海航運交易所が発表する上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は、中国発アメリカ西海岸行きが7月4日時点で1FEU(40フィートコンテナ換算)当たり2089ドル(約30万1520円)と前週より19%下落。中国発アメリカ東海岸行きは同4124ドル(約59万5240円)と同12.6%下落した。
例年の繁忙期も運賃下落
6月上旬のピーク時には、SCFIはアメリカ西海岸行きが1FEU当たり5606ドル(約80万9150円)、アメリカ東海岸行きは同6939ドル(約100万1550円)に高騰していた。それからわずか1カ月で前者は62.7%、後者は40.6%も暴落したことになる。
例年なら、7~9月期にはアメリカのクリスマス商戦に向けた輸出商品の出荷が始まり、コンテナ海運業界は繁忙期に入る。そんな中、7月に入っても運賃が下がり続けている今年の状況は異例と言える。
その要因について、上海航運交易所の週次レポートは次のように分析した。
「アメリカ景気の先行きが不透明な中、米中間の貨物輸送需要が伸び悩み、需給バランスが崩れた。そのためスポット市場での運賃下落に歯止めがかからなくなっている」
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