「おもてなし」はどこへ? 参議院選挙を前に沸き上がる《外国人ヘイト》の誤解と代償

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犯罪に関しては、主流メディアは外国人に関連する数件の派手な犯罪に過剰なスペースを割いている。しかし、外国人の犯罪率は日本人のものと変わらない。実際、外国人が増えるほど、彼らが犯す犯罪は減少しているのだ。

日立総合計画研究所の主任研究員・小川裕氏は、1994年から現在まで、犯罪件数は約1万2000件から2023年には9726件に減少したと指摘している。

犯罪率で日本人との差はない

「外国人と日本人の犯罪率には実質的な差はない。また外国人の増加する中、刑法犯検挙人員はむしろ減少しているのであり、外国人の増加による治安の悪化といった現象は事実として存在しない」と小川氏は述べている。

インバウンド観光客は、日本の政府が常に失敗してきた地方の活性化という点で成功している。みなかみ町(群馬県)、ニセコ町(北海道)、一宮町(千葉県)でホテル宿泊や食事の需要が急増しているのは、外国人観光客のおかげなのだ。

日本人は、むしろ世界からの孤立を憂慮すべきだ。パスポート保有率の低さ(約17%)から英語力の不足まで、その問題は深刻だ。外国人が日本生活に適応する難しさを嘆くのではなく、日本人は彼らとの交流にさらに努力すべきだろう。ニセコのスキーインストラクター、群馬県みなかみ町のホテルマネージャー、一宮周辺の不動産開発業者は、インバウンド需要から十分な利益を得ている。

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