秦野駅長が語る「小田急らしくない駅」の日常風景 斬新デザインの駅舎は「アウトドアの聖地」の玄関口
秦野駅は1927年4月1日、小田原急行鉄道(当時)が新宿―小田原間を開通させた際に設置された。現在、秦野市内にある鶴巻温泉、東海大学前、渋沢の各駅と同時に誕生。秦野駅は当初は大秦野駅という名前で、鶴巻温泉駅は鶴巻駅、東海大学前は大根(おおね)駅という名称だった。
小田急線の開通前には東海道線の二宮駅まで結ぶ湘南軌道という軽便鉄道が営業していた。湘南軌道の秦野駅は現在のイオン秦野店の付近にあったという。1931年に旅客営業を終え、1937年に全線廃止された。
小田急の大秦野駅の駅舎は向ヶ丘遊園駅北口に残るような「マンサード屋根」だった。1987年に現駅名に改称。小田急線とともに2027年には100周年を迎える歴史ある駅だが、いまでは駅周辺にいくつもの個性的なモニュメントが配置され、近未来的なデザインの橋上駅舎が目を引く。
1996年に完成した現駅舎は1997年に「グッドデザイン賞」を受賞、1998年には「関東の駅百選」に選ばれている。
駅舎のデザインは何を表現?
『小田急75年史』には「秦野駅は『丹沢山塊』をキーワードに豊かな自然と調和したデザインを採用し、外観では山並みに映える美しい輪郭の曲面屋根が、内装では天井が高く開放感あるコンコースが特徴となっている。また、機能面でも上下ホームに各1基ずつ車イス兼用型エスカレーターを設置し、秦野市が建設した自由通路とともに快適な駅舎となった」とある。

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