2012年5月リリース『仮契約のシンデレラ』でのメジャーデビューも経て、グループはさいたまスーパーアリーナなどの大舞台へと羽ばたいていった。

「人と人との気持ちの積み重ねで、次の箱(会場)へ向かっていく。アイドルは特殊な職業だなと思います。小6で大人の方々と握手するところからはじまって、独特な声なので『まわりには好きって言えないです……』と打ち明けられたこともあったんですけど、気がつけばグループの輪が広がっていました」
「反発心」が自身のスタイルの原点に
エビ中でのキャッチフレーズは「ミラクルマジカルマスコット」。話し声こそアニメ声だが、パフォーマンスとなると一変、力強い歌声で観客の心をつかんだ。
ただ、ぁぃぁぃさん自身には戸惑いも。次から次へと何かをこなす慌ただしい日々の中では、思春期ならではのひそかな抵抗もあった。
「加入当時は何を求められているのかわかっていなくて、次第に、ゲームのようにアイドルを攻略する感覚になっていったんです。メジャーデビューの当時は中1で、髪を結びたかったのにストレートのロングヘアに決められて『なんで?』と思ったんですけど、いまなら、メンバーを覚えやすくする戦略だったんだなとわかります」
当時、わずかにあった抵抗をステージにぶつけると、一躍、パフォーマンスが注目された。
「あの頃の反発心が、自分のスタイルを作ってくれました。自分だけ髪を結べない気持ちを逆手にとって、髪を振り乱して暴れるようにパフォーマンスしていたら『中学生なのにロックでカッコいい』と褒められたんです。エビ中の曲では『大人はわかってくれない』とかに、表れていた気がして。グループ自体も、感情をそのままぶつけるのを肯定してくれる環境でした」
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