【ロールス・ロイス史上、もっともパワフルなブラック・バッジ】「スペクター」「ゴースト・シリーズⅡ」「カリナン・シリーズⅡ」の共通点

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ブラック・バッジ・スペクターと筆者
ブラック・バッジ・スペクターと筆者(写真:三木 宏章)

「オフロードではいかに低速で安定した走行を継続できるか、これが重要です。カリナンではその特性を重視した車両設計を行っています」と、エンジニアはカリナンの存在価値を説明する。

かつて国産各社には抜群に高いオフロード性能を誇るモデルが複数あった。時代の流れで国内市場は縮小したが、トヨタ「ランドクルーザー」シリーズだけはキングオブ・オフロードとして世界市場に存在する。

ブラック・バッジ・カリナン・シリーズⅡは、スペクターやゴースト・シリーズⅡのブラック・バッジが示したオンロード性能をそのままに(100km/hまでは5.2秒)、最新のランドクルーザーと肩を並べる悪路での走破性能を誇示する。とくに泥濘地でのしずしずとした走破性能は特筆もので、ペダルを操作する右足とタイヤ(23インチ!)が直結したかのような運転感覚はまさにエフォートレスだ。

自分だけの1台を作るビスポークの世界

ロールス・ロイスが韓国に設置しているプライベート・オフィス・ソウルのビスポークデザイナー
ロールス・ロイスが韓国に設置しているプライベート・オフィス・ソウルのビスポークデザイナー(写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ)

ところで、世界のロールス・ロイスオーナーは、ビスポーク(外装や内装、素材にいたる細やかな注文装備)を通じて自分だけの1台をオーダーメイドで作り上げている。

アジア太平洋地域では韓国に新しくオープンしたプライベート・オフィスに顧客が出向き、最低でも2回、綿密な打ち合わせのもと細かな注文内容を決定するとのことで、中には5回も打ち合わせを繰り返した猛者もいる。

取材時に対応してくれたプライベート・オフィスの若いデザイナーはこう語る。

ブラック・バッジ・カリナン・シリーズⅡのインテリア
ブラック・バッジ・カリナン・シリーズⅡのインテリア(写真:三木 宏章)

「私はポケモン(ポケットモンスター)が大好きで、そのキャラクターから受けたひらめきをお客様への提案として新しく取り入れたところ、大変好評をいただいています」という。試乗したカリナンの「レモンイエローのレザー、いいですね!」と伝えたところ、「ありがとうございます。これまでになかった新提案を継続します」。

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BEVのスペクター、内燃機関のゴースト、とっておきのSUVであるカリナンと最新のロールス・ロイスに試乗する機会を得たわけだが、開発ドライバーやエンジニア、そしてデザイナーしかり、肩に力が入っていない余裕こそ、エフォートレス、つまりロールス・ロイスらしさなのだと実感できた。解き放たれた無限の世界、いつかはロールス・ロイス。その想いが一層強くなった。

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西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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