【ロールス・ロイス史上、もっともパワフルなブラック・バッジ】「スペクター」「ゴースト・シリーズⅡ」「カリナン・シリーズⅡ」の共通点

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試乗の舞台になったのは、千葉県にある会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」
試乗の舞台になったのは、千葉県にある会員制ドライビングクラブ「THE MAGARIGAWA CLUB」(写真:THE MAGARIGAWA CLUB)

試乗は公道ではなく、千葉県にあるクローズドコース「THE MAGARIGAWA CLUB」で行った。全長3.5kmのコースには大小22のコーナーがあり、最大直線路は800m。高低差は250mで、最大の登り勾配が20%(11.3度)、下り勾配が16%(9.1度)だ。ただし、自身が「レーストラックではない」とうたっているように、コース幅はさほど広くなく、コースアウトした際のエスケープゾーンも一般的なサーキットよりも少ない。

なぜここが舞台なのかといえば、ブラック・バッジの秘めたる強さを自然の地形を活かしたコースで解放し、そこで得られるエフォートレス、つまり無理なく優雅に走りきることの体感が目的だった。

ブラック・バッジ・スペクター試乗

ロールス・ロイスでもっともパワフルなモデルとして2025年2月に登場したブラック・バッジ・スペクター。インフィニティ・モード時には485kW(659hp)を発生する
ロールス・ロイスでもっともパワフルなモデルとして2025年2月に登場したブラック・バッジ・スペクター。インフィニティ・モード時には485kW(659hp)を発生する(写真:ロールス・ロイス・モーター・カーズ)

最初にハンドルを握ったのはBEVモデル「ブラック・バッジ・スペクター」(5614万円~)。コースイン直後、いきなり急な下り勾配と対峙する。試乗時は前日からの雨が降り続き、コースには小さな雨の川が何本も流れているわかりやすく緊張する場面。しかも、自身は初MAGARIGAWAで、コースレイアウトすら頭に入っていない。

1周目、助手席に座る開発ドライバーの流暢な車両解説とともにレイアウトを必死に覚えようとした。が、左に2回、コーナーを曲がったころにはクルマとの対話が始まり「スペクター任せに走っても大丈夫だ」と、気持ちがスッと楽になった。長年、この仕事を継続し、商用車メーカーでは開発ドライバーも担当してきたが、初めてのコースでこんなに早く打ち解けたクルマは数少ない。

ブラック・バッジ・スペクターを運転する筆者
ブラック・バッジ・スペクターを運転する筆者(写真:三木 宏章)

800m直線路の入り口にさしかかる。ここで「黄色のパイロン手前で停止してください」と穏やかな声の開発ドライバー。ここから次のパイロンまでアクセル全開の発進加速メニューが進行する。それでは遠慮なくということで、景気よくアクセルペダルを全開にした。

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