トヨタがアメリカでの電気自動車生産計画を先送り、それよりも人気のガソリンエンジン搭載SUVを増産へ
トヨタ自動車はガソリンエンジン搭載の多目的スポーツ車(SUV)を増産するために、米国での電気自動車(EV)生産計画にブレーキをかけた。
同社によると、新型電動SUVの生産はケンタッキー州ジョージタウン工場で2028年に開始する。当初の計画より1年以上先送りされる見通しとなった。この名称未定のプラグインモデルは当初、インディアナ州プリンストン工場で生産される予定だったが、ケンタッキー州に移される。
トヨタ自動車はこの生産シフトによって、人気の高い「グランドハイランダー」SUVの増産が可能になる。グランドハイランダーはガソリン車とハイブリッド車の両モデルが販売されている。
トヨタは新型バッテリー駆動モデルのほかにも3列シートの電動SUV(名称未定)を、ジョージタウン工場で2026年後期に生産する方針。当初は来年の早い段階をめどとしていた。同社の広報担当者が述べた。EV生産をプリンストン工場からケンタッキー州に移す計画は、オートモーティブ・ニュースが先に報じていた。
今回のEV計画遅延は、米国でのEV需要が下火になっているほか、上院が税制・歳出削減法案を可決したことが背景にある。同法案にはEV購入を支援してきた税額控除の終了が盛り込まれているため、需要は今後さらに弱まる可能性がある。トヨタは5月の時点で、米国でEV7車種を2027年中盤までに発売する計画を明らかにしていた。これには米国製SUVの2モデルが含まれる。
コックス・オートモーティブによると米国では昨年、EV販売台数が7.3%増加し、約130万台となった。しかしトヨタによる完全EVの納車台数は3万台に満たなかった一方、ハイブリッド車の販売は急増していた。ハイブリッドのSUVとガソリンエンジンのSUVの需要は非常に高い。
著者:ドーソン・チェスター
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