『ドールハウス』『恐い間取り』『近畿地方のある場所について』『8番出口』など注目作がゾクゾク公開!「令和ホラー」ブームはなぜ起きた?
この要素だけでも考察がはかどりそうなところだが、もちろん書いた要素だけでパズルは完成しない。娘を亡くした母親・佳恵と、そんな佳恵に引き取られたアヤ。娘の喪失からはじまった物語がどこへ向かうのか。恐怖に震え上がる主人公役・長澤まさみの名演も併せて、劇場でのお楽しみとしてほしい。
令和ホラーブームの夏が到来
そんな『ドールハウス』をはじめ、直近では映画『きさらぎ駅 Re:』『見える子ちゃん』と複数のホラー作品が封切りされた。今夏はさらに『事故物件ゾク 恐い間取り』、『近畿地方のある場所について』、『8番出口』など話題作の公開が予定されている。
アニメ界でも『地獄先生ぬ〜べ〜』『光が死んだ夏』がまもなく放送開始予定で、ここ数年で盛り上がってきた令和ホラーブームが、いよいよ世間的に浸透してきた感がある。
このフィーバーは映画『リング』(1998年)、『呪怨』(2000年)、『着信アリ』(2003年)などが次々とヒットした、90年代後半〜00年代Jホラーブーム以来の流れではないだろうか。
小説投稿サイト発の『近畿地方のある場所について』、インディーゲーム生まれの『8番出口』、Webメディア・YouTubeから広がった『変な家』、テレ東系のホラーモキュメンタリー『イシナガキクエを探しています』『飯沼一家に謝罪します』など、令和ホラーが生まれる場はバラエティ豊かだ。特に一人または少数のクリエイターから生まれた作品が、熱量の高いファンダムの口コミで拡散されるからこそ、昨今のブームにつながる勢いが生まれたのだろう。
そこへこれまでの潮流とはまた違う、『ドールハウス』のようなオリジナル映画も誕生し、いよいよ多様化してきた令和ホラーブーム。同時多発的に発生したこの波はどこへ向かうのか。予想を鮮やかに裏切ってほしい。



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