ネットにつながらない状況で不可解な出来事が次々と襲いかかる。よくあるパニック映画のような設定だが、それだけでは終わらない。見どころは不確実性と向き合ったときに人間性が如実に表れるところにある。まるでその様子はコロナ禍で顕著になった社会の分断の構図を見ているようである。
ネットの社会問題を深掘り
原作は全米図書賞にノミネートされたルマーン・アラムの小説『LEAVE THE WORLD BEHIND (邦題:終わらない週末)』。インテリ白人中流階級の4人家族がバカンスを過ごそうと、レンタルしたニューヨーク近郊の別荘に車で向かう場面から始まる。映画『シャイニング』を彷彿とさせる冒頭シーンは、不穏な空気とは対照的な美しい情景や細部にこだわったセットデザインによって、不気味さを強調する効果を狙う。
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