車両を譲受する場合、元の鉄道会社で不要となった、つまり古参車両がやってくるというパターンがほとんどである。考えてみれば当たり前の話で、元の会社にしてみれば、自社でもっと古い車両が残っているのに、それよりも新しい車両を積極的に引退させ譲渡する理由はあまりない。
能勢電鉄でも、すでに引退した610系や1500系、間もなく引退を迎える1700系など、大半が阪急で役目を終えたものだった。2014年から導入が始まり、主力の一翼を担う5100系も、まだ阪急で活躍を続けているとはいえ宝塚線系統の最古参車両である。

従来車両との違いは?
ところが、この5100系の移籍は2016年に終了。まだ宝塚線系統に5100系が残っているにもかかわらず、以降は7000系(中間車は一部を除き6000系)が譲渡されるようになった。これは、タイミングよく7000系と6000系に余剰車が出たため。能勢電鉄にしてみれば“渡りに舟”といったところだ。
「5100系と7000系の大きな違いは、省エネ性能です。両形式とも、減速時にはモーターを発電機代わりにしてブレーキとする仕組みを備えていますが、5100系はそこで発生する電気を抵抗器で熱に変えて放出していました。いわば、電気を捨てている状態です。7000系は発生した電気を変電所に戻す『回生ブレーキ』を装備しており、他の車両が加速する際の電力などに“リサイクル”しています」と話すのは、能勢電鉄鉄道事業部営業課の広岡道也さん。
「この7000系は、改造を経て当社の7200系となりましたが、その際に制御機器も消費電力の少ないVVVFインバータ式に交換しました」(広岡さん)
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