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3年間で延べ500人以上が参加した、KDDIの視覚障害者向けスマホ教室。VoiceOverとSiriで画面を見ずにiPhoneを操作

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  • 石井 徹 モバイル・ITライター

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LINEメッセージをiPhoneの視覚障害者向け機能VoiceOverで操作する様子(筆者撮影)
【写真を見る】3年間で延べ500人以上が参加した、KDDIの視覚障害者向けスマホ教室。VoiceOverとSiriで画面を見ずにiPhoneを操作(5枚)

「VoiceOverはショップでも教えてくれない。家族も教えてくれない」。画面を見なくてもスマホが使える――その事実を知る人は、意外と少ない。

6月20日、藤沢市点字図書館。梅雨の晴れ間に恵まれたこの日、KDDIの視覚障害者向けスマホ教室が開かれていた。70代の男性参加者が、iPhone 16のサイドボタンを長押しする。ピュンという電子音。Siriが起動した証だ。「かぐや姫に電話」。トトンというリズムで2本指でタップすれば、通話が始まる。画面は一度も見ていない。

日本の視覚障害者は2030年に200万人に達すると予測される。高齢化で中途失明者が急増する一方、点字図書館の利用登録者は全体の2〜3割。残りの7割は情報から取り残され、社会から孤立しがちだ。災害時の死亡率は健常者の3倍という厳しい現実もある。

6月20日実施されたスマホ教室では、応用編として、視覚障害を持つ2名が参加した(筆者撮影)

「マイノリティの中のマイノリティ」の声

講師を務めるKDDI首都圏総支社の佐嶋稔氏が、3年前を振り返る。「視覚障害者の方から『マイノリティの中のマイノリティである私たちの声を聞いてほしい』と言われたんです」。コロナ禍でボランティア活動を模索していた同社が藤沢市点字図書館を訪問した際、利用者から強い要望があったのがスマホ教室だった。

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