製薬大国インドが日本市場開拓に本腰、高品質と10分の1の生産コストをアピール

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日本市場開拓が容易でないことはインド側も理解している。製薬企業や医薬品卸との関係構築、患者の認知など、取り組むべき課題は多い。ただ、「コストが10分の1で済む医薬品をどうして買わずに済ませることができようか」とクーラル氏は力を込めた。そのうえで「日本の関係者の力添えもいただきたい」とも語った。

インド企業は日本市場での存在感を高めつつある。第一三共は2008年にインド2位のランバクシー・ラボラトリーズを買収。エーザイはインドの製造拠点から、筋弛緩薬ミオナールの日本への逆輸入を開始している。最主力のアルツハイマー型認知症治療薬アリセプト(一般名ドネペジル)についても、インドでの原薬からの一貫生産体制を12年度にも構築する。

また、07年に日本ユニバーサル薬品を買収して日本市場に参入したザイダスグループの日本法人ザイダスファーマは今年、ドネペジルや糖尿病治療薬ピオグリタゾン(先発品名はアクトス)などインド製のジェネリック医薬品(後発医薬品)7製品を日本で発売する。同社は10年に高血圧症治療薬アムロジピンを皮切りにインド製品の発売に踏み切ったが、12年から一気にインド製品の投入を強化。
 
 「15年までに日本国内のジェネリック医薬品メーカーとして、ベスト10に入ることが目標。売上高200億~300億円をめざす」(ザイダスファーマのシャルマ・カイラッシュ・ディープ社長)としている。
 


「国際医薬品原料・中間体展」でのインド企業のブース

(岡田広行 =東洋経済オンライン)

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