WWDC 25で発表された次世代iPhone用OS、透過・屈折・反射する「Liquid Glass」インターフェースとは何か
それぞれのデバイスのデザインは相互に作用をもたらしているが、Liquid Glassはとりわけ昨年登場したばかりのvisionOSの影響を大きく受けている。つまり、Liquid Glassには奥行き(レイヤー)があり、奥行きを利用することで、さまざまな表現を実現しているのだ。

また、今回のインターフェースの統一を機に、OSの名称のバージョン番号も統一された。現行までは、iOS 18だったのがiOS 26に、iPadOS 18がiPadOS 26に、macOS 15 Sequoiaが、macOS Tahoe 26になった。バージョン番号がまだ2だったvisionOSも一気に26となった。

Liquid Glassは単なる「透明」ではなく、背後にあるレイヤーを透過し、反射し、複雑な色変化、コントラスト変化をもたらす。背後にある色が何色であれ、柔軟にコントラストを変化させ、見やすさを感じさせてくれる。
画面の構成要素には奥行きがあるため、ウインドウよりボタン、ボタンより、それを押したときに表示されるコンテキストメニューのほうが手前に表示されるようになるから、ユーザーは今何に直面しているのか、どのボタンを操作すればいいのか、わかりやすいというわけだ。
透過、屈折、反射などの表現を実現
透明感を活かしたOSは過去にあったし、「見にくいのでは?」という意見もあるが、それは静止画だけを見ての早計な感想。実際に動作しているのを見ると、非常に美しく、かつわかりやすい。

Liquid Glassはガラスとしてレイヤー構造を持っているだけではなく「リキッド(液体)」であることも重要なのだ。インターフェースはガラスの透明感を持っていると同時に、レンズ構造を持ち光を屈折させ、拡大鏡のように作用したり、光や影を映し込んだりする。さらに、ユーザーの操作によって、流れるように動いて、しかるべき部分を強調する。
たとえば、コンテンツを注視している間は、ボタン類は薄くなってコンテンツの邪魔をしないようになっている。操作する必要が生じると、自然とコントラストが強くなって文字が見えやすくなるし、必要に応じて、レンズ効果によって文字が大きくなっているように表示される。流動的に文字サイズを広げることで、視認性を向上させているのだ。また、ひとつのボタンから、複数のボタンを含めたバーに、そこで選択するとポップアップウインドウに……と、水のしずくがつながって広がっていくように、過渡が美しくアニメーションされるので変化の過程もわかりやすい。
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