「子どもと妊婦を守る法案」を全野党が結束して提出、政府に原発事故による健康被害の防止努力求める

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 第二に同法案で掲げた「基本的施策」(医療費負担の減免、一時避難への支援、生涯にわたる定期健康診断など)の実現には、新たな新法制定および予算の確保が必要になる。

法案の理念や具体的施策の必要性は否定しにくいだけに、民主党としても表立っての反対は困難と見られる。そこで、「法案に盛り込まれている基本的施策の多くはすでに実施中」などとして「骨抜き」を図る動きが出てくる可能性がある。

たとえば、「学校給食等にかかわる放射性物質の検査」については、「2012年度予算で施策が盛り込まれている」とか、「地域ごとの放射線量の算出等」についても「すでに自治体によるモニタリング調査が行われている」といった反論が予想される。
 
 「一時避難への支援」についても、「東京電力が自主避難者への一定額の支払いを開始している」として、対象地域の拡大や金額の積み増しを拒否する可能性がある。

また、「放射線に関する教育および啓発」については、すでに原子力開発を推進する立場の文部科学省が、「放射能を必要以上に心配しすぎない」ことを目的とした副読本の配布を進めている。原発事故に関する記述が少なく、放射能の健康影響も過小評価している疑いがある。

森議員は「現行制度のもとで施策を講じているかのように見えるが、十分ではない。住民の意思を無視してあえてやらなかったり、望んでいないことが行われている」と批判する。法案提出を永続的かつ実効性のある政策につなげていくためには、政府与党の姿勢を転換させることが必要になる。
 


■記者会見に臨む野党7党の議員(左から3人目が森まさこ参議院議員、右隣が川田龍平参議院議員)


■法案は3月14日に参議院に提出された



■法案の発議者は全野党の議員

(岡田広行 =東洋経済オンライン)

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