ベール脱いだ、三菱重工「新交通システム」実力は? 架線レスでコスト大幅減、導入できるのはどこか

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日本国内では鉄道会社が車両や軌道などの保守業務を行うが、海外ではメーカーに委託することが多い。そのため、三菱重工はAGTの車両製造のみならず、海外では保守やアフターサービスでも稼げると考えている。

ただ、既存メーカーとの競争に加え、中国の電気自動車大手メーカー・BYDがAGTに参入するといった異業種からの参入もあり、競争は激化の一途をたどる。そんな状況において、三菱重工も最新技術を導入した新たなAGTを開発し、新ブランド「Prismo(プリズモ)」を5月19日に発表した。

「本日から営業活動を始めます」と三菱重工の新交通システムを所管するGXセグメントの藤岡健治セグメント長代理が宣言し、和田沖工場でプリズモの車両が試験走行する様子を報道陣に公開した。

三菱重工 プリズモ
試験走行する「プリズモ」の車両(記者撮影)
【写真】ゴムタイヤで走るAGTは登坂性能が強みの1つ。テストコースの急勾配を走る様子

最大の売りは「架線レス」

案内軌条に沿って遠くからやってきた車両は長さが約12m、立ち客も含めた定員は100人程度。車両を2両、3両と連結することで定員はさらに増やせる。空港で使うのであれば、「大型旅客機から降り立ったお客様を一度に大人数お運びするのに適している」(藤岡氏)。

また、車両の長さも12mで決まっているわけではなく、「顧客の要求に合わせて長さは変わる」と、開発を担当したGXセグメントモビリティエンジニアリング部の田代太郎主席プロジェクト統括が付け加えた。確かに、日本国内を走るAGTの1両あたりの長さもゆりかもめは約9m、ニューシャトルは約8mと異なっている。

車両は報道陣の前を時速60〜80kmで何度も行ったり来たりしたが、プリズモの“売り”はそこではない。給電レールが不要となる「架線レス」の実現がプリズモのセールスポイントである。

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