映画ネタバレ記事、8000作品超を不正掲載…広告収入得るためライター数十人が文字起こし

映画のストーリーや登場人物のセリフを文字に起こした「ネタバレ記事」をインターネットサイトに無断公開したとして、仙台市青葉区のウェブサービス会社が著作権法違反の疑いで書類送検された事件で、サイトには8000作品超の記事が不正に掲載されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
宮城県警の発表によると、書類送検されたのは、同社と社長の男(37)(宮城県南三陸町)、ライターを担当するなどした34~53歳の女4人。2021~23年に映画「シン・仮面ライダー」や「シン・ウルトラマン」など11作品の登場人物のセリフや動作、場面を文字に起こしてサイトに掲載し、東宝や東映など計4社の著作権を侵害した疑い。いずれも容疑を認め、社長の男は「広告収益を得るためだった」と供述している。
捜査関係者や海賊版対策を進める「コンテンツ海外流通促進機構」(東京)によると、このサイトはいわゆる「ネタバレサイト」として、映画の予告編などから転用した画像とともに記事を公開していた。11作品のうち10作品は、上映期間中にサイトで公開され、映画館で内容が記録されたとみられる。著作権に詳しい中島博之弁護士は「宣伝効果にタダ乗りして収益を得ようとする行為で、悪質性が高い」と指摘する。
映画の文字起こしは愛好家らの間で始まったとされるが、近年は営利目的で組織的に運営されるサイトが目立つ。捜査関係者によると、この会社は求人サイトでアルバイトを募集し、数十人のライターが働いていたという。同機構の担当者は「文字起こしサイトの違法性を改めて認識するべきだ」と訴える。
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