マクドナルドに続け!熱いコーヒー戦争の行方 セブン−イレブン、ローソンも本腰

拡大
縮小

 こうした追撃に既存のコーヒーチェーンも黙っていない。大手のスターバックスは新商品の「ブロンド ロースト」を3月中旬から発売する。同社は深いりの濃い味を売りにしてきたが、新商品は同社初となる浅いりでブレンドコーヒーの味に近い。「当社のコーヒーを敬遠した人にも楽しんでもらいたい」(関根純・スターバックス コーヒー ジャパンCEO)。

スターバックスには苦い経験がある。08年にマクドナルドがプレミアムコーヒーを発売した際、顧客を奪われて営業減益となった。米国での競争はさらに激しい。マクドナルドとの競争で、米スターバックスは08年に創業以来初の最終赤字に転落。600店を超える大量閉店など打撃を受けた。ブロンドの発売については、「マクドナルド対策だ」と見る業界関係者もいる。

一方、商品ではなく店作りで迎え撃つコーヒーチェーンもある。ドトールは今後の新規出店のうち、半分弱で面積を従来の2倍に拡大。内外装を白に統一した全面禁煙の新型店などを出す。手薄だった女性を呼び込む狙いだ。

はたして勝者は誰か。異業種が入り乱れたコーヒー戦争は、ますます過熱する。
(撮影:今井康一)(週刊東洋経済2012年3月17日号)

松浦 大 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT