JR東「荷物新幹線」、料金をJR貨物と比べてみると? 専用車両も導入「新しい発想」何を載せて運ぶか

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そして4月18日からスタートしたのが新青森―東京間における大口荷物の定期輸送サービスである。E5系10両編成のうち1号車と2号車を荷物輸送専用にして企業などの大口需要に対応する。座席間に荷物を積むことで、1編成あたり最大約200箱運べるという。

輸送日の7営業日前まで申し込みを受け付け、基本輸送料金は1号車の車両貸しの場合1両10万4500円からの設定。1号車は先頭部分が長い分、荷物搭載スペースが少ないため、2号車の車両貸し料金はもう少し高くなりそう。ちなみに小口輸送の料金は1箱あたり2200〜3300円で価格設定としては航空貨物の運賃に近い印象だ。

当面ははやぶさ50号を活用した毎週金曜日の運行予定だが、今後はその他の曜日も柔軟に対応する。また、上越新幹線などほかの路線にも広げていく。

荷物新幹線 搬出の様子
荷物を運び出す様子(記者撮影)

JR貨物とは競合しない?

JR東日本マーケティング本部まちづくり部門開発戦略ユニット(列車荷物輸送・SCM)の三井揚介マネージャーは「地方の特産品を首都圏の巨大マーケットに届けることで地方創生につなげるとともに、トラックドライバー不足などの社会的課題の解決にも貢献したい」と述べたが、もちろん、荷物輸送を収益柱の1つに育てようという狙いがある。

今回の大口荷物の定期輸送サービス開始と並行して、JR東日本はE3系1編成を改造し、座席をすべて撤去して全車両の床面をフラット化した荷物輸送専用列車を製造中。今秋から盛岡―東京間の上り列車で運行する予定だ。盛岡と東京の車両基地を活用し、最大1000箱程度の大口輸送を定期化する。将来的に年間売上高100億円を目指すという。

では実際にどれほどの需要があるか。三井マネージャーは「車販準備室を使ったはこビュンでは1日に数箱から10箱を運んでいた。多いときには40箱運んだこともある」と話すが、連日満載という状況ではなかったようだ。大口輸送のスキームが整ったからといって、すぐに満載になると考えるのは早計だ。

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