JR東「荷物新幹線」、料金をJR貨物と比べてみると? 専用車両も導入「新しい発想」何を載せて運ぶか

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これらの荷物は新青森で積まれた陸奥湾のホタテなど青森県産の鮮魚約120箱と引っ越し荷物約20箱。そして盛岡駅で積まれた「かもめの玉子」などの銘菓や乾燥ワカメなど三陸の特産品約60箱。合計で約200箱になる。

大量の荷物が人海戦術で手早く列車から降ろされる。ホームで待機していたスタッフが台車を押して荷物を集荷エリアに運び、そこからエレベーターで階下へ下ろした。この間わずか数分。非常にスピーディな作業だった。鮮魚は首都圏のスーパーマーケットへ運ばれ、三陸の特産品は2月の大規模林野火災で被害を受けた岩手県大船渡市の復興支援を目的に上野駅で開催されたイベントで販売された。

荷物新幹線 東京駅 搬出
列車が到着し、車内に乗り込むスタッフたち(記者撮影)

新幹線荷物輸送「定期化」への道のり

JR東日本が新幹線による荷物輸送サービスを開始したのは2017年のことだ。何度も実証実験が繰り返され、2021年10月には3辺の長さが計120cm程度の段ボール数箱~10箱単位の小口輸送を対象に「はこビュン」として事業化した。それと並行して、100箱単位に拡大した大口輸送の実証実験が続けられていた。

2019年6月に盛岡駅から東京駅まで新幹線を使った荷物輸送の実証実験を取材した際には荷物の数も多くなく、車販準備室に保管していた。また、車両への積み込みやホームへの積み降ろしは台車を使わない手作業で行われていた。

その後、2023年8月に行われた荷物専用の臨時列車を使った実証実験では新潟と東京の車両基地間を往復し、約800箱の荷物を運んだ。このときは、車両から降ろした荷物はホーム上の台車に載せられ、荷崩れしないように複数の荷物をテープでぐるぐる巻きにするという工程が含まれていた。その分だけ作業時間がかかっていたわけだが、さらに何度も実証実験を繰り返し、作業工程の課題を洗い出し、改善を重ねてきた。

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