【産業天気図・ホテル/旅行】宴会部門が下支え。個人消費の拡大がカギ
ホテル・旅行業界の07年度前半は法人需要が収益を下支えして「晴れ」。ただ後半は、やや一服感が漂うかもしれない。個人消費の拡大が今年の行方を左右しよう。
旅行業界はエイチ・アイ・エス<9603.東証>の好調ぶりが目立つ。海外旅行に軸足を置き、低価格を訴求する戦略が改めて見直されている。JTB<非上場>もまずまず。団体向けの苦戦などで現在“独り負け”状態にある近畿日本ツーリスト<9726.東証>は、私鉄系旅行会社などとの提携を進めて企画旅行の増販を狙う。ただ、内外のテロや気候変動、伝染性の病気の流行など外部要因に弱い面は、旅行業界はリスクとして恒常的に抱えている。
ホテル業界は現状、宴会部門が収益を支えている。帝国ホテル<9708.東証>は法人の宴会が堅調で、07年3月期は婚礼件数も過去最高を更新する公算だ。ただ婚礼は足元の予約が前年同月比マイナスに転じ、やや一服感が見え始めている。藤田観光<9722.東証>も椿山荘の好調が収益を牽引。業界としては今後、個人消費拡大によるレストランや宿泊部門の押し上げがキーポイントとなる。また、ホテルは施設の大幅変更が難しいため、旅行と同様、急激な環境変化に弱い点、注意を要しよう。
【山谷明良記者】
(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部
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