「強い職場」に共通する30代の活かし方[第5回・最終回]--震災後、これからの働き方
企業は社会に貢献するために存在し、企業活動は人によって成されているならば、企業で働く人は、もっと社会に貢献しているという意識を持ってもいいはずだ。そして、そのような意識で働くことができたならば、もっと働く人は自信や誇りを持ち、充実感を持ちながら日々を過ごすことができるだろう。
では、どうすれば、企業活動を通じて社会に貢献しているという意識をより強く持つことができるのだろうか? 私は、3つのポイントがあると考えている。
1つ目は、「社会を知る」ことだ。社会人になって間もない頃は、与えられた目の前の仕事しか見えなくなることが多い。なぜならば、与えられた仕事すら満足にやり切ることができないからだ。しかしながら、目の前の仕事しか見えていない状況では、社会に貢献している意識を持つことは難しい。社会を知り、自分と社会をつなげていく努力をすることで自分が社会の中の一員なのだという意識を持つことができる。
2つ目は、「組織を知る」ことである。特に、自分が所属している組織が何のために存在しているのか、組織ミッションを自分ごととして理解することが大切である。経営者と若手社員を比べたときに、経営者のほうが、自分が社会に貢献している意識を強く持てていることが多い。それは、組織を自分ごととして考えているからであろう。
組織が社会にどのような価値を提供しているかを理解し、自分と照らし合わせることが重要で、そのことを通じて、自分が組織の提供している価値の一翼を担っているという意識を持つことができる。
3つ目は、「自分を知る」ことだ。組織を通じて社会貢献できる意識を持つことができるかどうかにおいて、自分が社会にどのような貢献をしたいのか、明確な想いがあるかどうかが重要になってくる。組織というものは、強力な仕組みで成り立っている。あまりにも強力な仕組みであるために、働く人が何も考えていないと、使われてしまうだけで終わる。歯車のように、指示されたことをこなすだけの存在になってしまうのだ。