Airbnb(エアビー)が民泊から体験ベースのサービスへ本格転換。シェフやプロガイドとゲストをマッチングする新戦略

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「Airbnbはあらゆる価格帯でサービスを展開しています。このことは(今回の新サービスの)企画時から考えたことであり、豪華で高価なサービスを提供したかったわけではありません。例えば、シェフに自宅に来てもらって料理してもらうのは、どうしても高くなるもの。

そこで同じシェフに『低価格でサービスを提供することはできますか?』と相談したところ、ケータリングでの料理提供を考えてくれました。また、Airbnb体験の平均価格帯は66ドル。1人のプロに依頼する価格は高くとも、それを10人で割れば安くなる……という理屈です。また、こうしたサービスの紹介はホストファミリーにより良い収益機会を提供し、旅行の民主化にもつながります」

ブレチャージクCSOは「体験型の旅行にはいまよりも大きな市場価値がある」と話す。なぜなら「人々はもっと他とは違う体験をして、ソーシャルメディアなどで自慢したいと思っている」(ブレチャージクCSO)からだ。

「人々が旅行するときのお金の使い方をリサーチすると、一般的には、宿泊施設に1ドル費やすごとに宿泊以外に3ドルを費やしているんです。すなわち、旅行ビジネスに使われる費用の大半は“宿泊ではない”んです。航空運賃もその中に含まれるのですが、それ以外にも、飲食やショッピングなど、要素はたくさんあります。そうした体験の多くを、友人たちに自慢したいと思っているわけです」

日本では「国内旅行」が劇的に伸びている

では、そこで日本市場はどのような役割を果たすだろうか。

「日本を訪れる人々は増えています。現状、アジア地域でも目的地ナンバーワンです。みな、日本がとにかく品質にこだわることをよく知っていますし、中でも食べ物の多様性に興味があります。地下鉄や書店での体験も、他国にはあまりないものです」

「同時に、日本人にとっても、日本はやはり特別な場所だ」とブレチャージクCSOは言う。

「実は、前四半期には、日本国内旅行が前年比で20%以上も増えています。これは、国内旅行の世界平均をはるかに上回る成長率であり、驚くべき可能性です。ほとんどすべての地域向けにサービスを提供していますが、その中にはホテルすらない地域もあります。

我々はいくつかの地元の町と協力して、家屋の復興を支援してきました。これらの町が観光を通じて活性化すると同時に、日本人や他の国からの旅行者にユニークな体験を提供することは、非常に大きなチャンスだと考えています」

西田 宗千佳 フリージャーナリスト

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にしだ むねちか / Munechika Nishida

得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、『アエラ』『週刊朝日』『週刊現代』『週刊東洋経済』『プレジデント』朝日新聞デジタル、AV WatchASCIIi.jpなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。著書に『ソニーとアップル』(朝日新聞出版)、『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)、『スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場』(アスキー新書)、『形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組 』『電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ』『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(すべてエンターブレイン)、『リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ』(TAC出版)、『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』(共著、徳間書店)、『災害時 ケータイ&ネット活用BOOK 「つながらない!」とき、どうするか?』(共著、朝日新聞出版)などがある。

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