Airbnb(エアビー)が民泊から体験ベースのサービスへ本格転換。シェフやプロガイドとゲストをマッチングする新戦略
同時に、旅行時の体験も変える。
「我々はマスツーリズムを提供したいわけではありません。本物の専門家が提供する、その地域の文化を紹介する体験を提供したい」と、ブレチャージクCSOは説明する。
同社が開始した「Airbnb体験(エクスペリエンス)」では、旅行地での特別な体験を提供する。
ミシュラン・ビブグルマンに掲載されたラーメン店「柴崎亭」の店主である石郷岡三郎氏と一緒にラーメンを作るのは、間違いなく特別な体験だ。

ノートルダム大聖堂の修復に実際に携わった建築家にノートルダム大聖堂を案内してもらったり、アンデス文明の専門家とともに、馬に乗ってクスコの寺院を訪れたりするのもいいだろう。

さらには、メキシコシティで本物のルチャドール(メキシカンレスラー)から、聖地アレナ・メヒコのリングでルチャリブレを教えてもらったりもできる。

こうした体験は一般に、旅行業界では「オプショナルツアー」と呼ばれるものだ。Airbnbはそこで質の高いプロと旅行者をアプリでマッチングし、特別な体験を提供しようとしている。
さらに、同社アプリはSNSに近い機能も持つ。旅先で知り合った人と仲良くなった経験を持つ人は多いだろう。だが、その関係が長続きすることは少ない。
Airbnb体験は複数人で行われるが、そこでは他人と一緒になることもある。また、ホストとの関係も重要だ。そうした「旅先での出会い」を、アプリ内のサービス履歴からつなぐことで、旅行時の体験や写真などを、知り合った人々の間でシェアする助けとするわけだ。当然そのことは、Airbnbを次に選ぶ起点になり、アプリを旅行時以外も継続して使ってもらう武器となる。

人々は旅行で「宿泊以外に多くを払う」
そこで気になるのは、「旅行にかかるコストが高くなるのではないか」ということだ。前出のような特別な体験やサービスに参加するには、1人あたり100ドル近くかかる。場合によってはもっと高い。
この点についてブレチャージクCSOは「問題はない」と説明する。
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