
2023年11月、SNSで同僚の「子持ち様」が子どもの熱で「また」急に休んだ、という不満をつぶやいた投稿から賛否両論が巻き起こった「子持ち様」論争。1年半の間に、新たな動きも目立ち始めている。
そこで、今回は改めて、この問題の背景と今後について考えてみたい。まず、仕事を持つ人たちに論争に関する見解を聞いてみた。
同僚たちの正直な思い
教育関係の職場で働く26歳のMさんは、昨年結婚したばかり。独身時代に働いていた保育園での経験を振り返り、「お子さんを授かった先輩が、子どもが熱を出すと休むんです。私もいつか子どもを持ちたいし、仕方ないとは思ったんですが、保育園の仕事はそもそも給料が低いので、何か腑(ふ)に落ちなかったです」と話す。
コンサルタント会社で働く28歳のシングル女性・Rさんは、「正直に言えば、『子どもが熱を出したから帰ります』と同僚に言われたら、絶対に腹が立つとは思うんですよ。でもそれは、そんなふうに感じさせる環境を作る会社がよくないと思います」という。
一方、「子どもを産み育てていること自体に、尊敬の念が私にはあります。そういう人が気兼ねなく帰れる職場であってほしい」と話すのは、メディア関連の会社で働く30歳の既婚女性、Tさんだ。
外資系企業で働く、子どもがいない既婚者の36歳のNさんは、「夫が以前、(育児中の同僚がいると仕事の)しわ寄せがくると不満を言っていて、言ったのが夫だからか、なぜか反発したくなりました。私自身は、そういう体験をしたことはありません」という。
「同僚」的立場に立った彼女たちの見解に少しずつ違いはあるが、休む同僚が悪いわけではない、と考える点では一致する。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら