「排日移民法」と闘った外交官 一九二〇年代日本外交と駐米全権大使・埴原正直 チャオ埴原三鈴、中馬清福著 ~苦闘の体験から導かれる外交教訓

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前者が埴原の人間像と人種差別撤廃外交の闇に光を当て、後者がこの問題の世界史的な位置付け、外交や政治の対応とその限界、日本の世論の動向などについて多角的な解説を施しているが、効果的な構成である。

苦闘の体験から得られる教訓として、著者は機動的な自主独立外交の確立、モノ申す外務官僚の育成、血の通った外交の強化、情報公開の徹底と国民の外交参加の4点を強調する(第10章)。現代外交でも、その努力を怠れば、悲劇につながる「国民的憤慨」を招きかねないことを、この本は教えている。

Chow はにはら・みすず
1943年生まれ。専攻は日本研究、日豪関係、日本語教育。総合研究大学院大学でph.D.取得。豪マッコーリー大学日本学科長などを歴任。

ちゅうま・きよふく
信濃毎日新聞社主筆。1935年生まれ。東京都立大学卒業、朝日新聞社入社。論説主幹、専務・編集担当などを歴任。2005年から現職。

藤原書店 3780円 418ページ

  

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