【アニメ人気高まる中東】サウジアラビア発のエンタメ企業CEOが感じる「日本企業の課題点・可能性」とは?

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――日本企業が中東企業とやりとりする時は言語面でも意思疎通に苦戦しがちと聞きます。 

この点については危機感を持つことも大事です。実は昨年、ウェブトゥーンを扱う韓国の会社とやりとりをしたのですが、韓国の担当者はアラビア語で我々とメールをしていました。そのおかげで、日本で2、3年かかった行程が2カ月で終わったんです。

韓国や中国、欧米企業は今、それくらい中東や世界での展開に熱心で、頑張っています。こうした中では、私たちのように日本が好きな会社でないと、世界でのビジネスの継続は難しくなっていってしまうと思います。

「AnimeJapan」の出展ブース
3月下旬に東京ビッグサイトで開催されたアニメの祭典「AnimeJapan」に出展した(筆者撮影)

――せっかくのチャンスを逃してしまわないように、今後は積極性も大事になってくるということですね。

我々も、もっともっと大好きな日本とパートナーシップを結んでいきたいですし、そこにこだわりも持っていますが、片想いではハッピーになれませんからね。これから両想いにしていきたいです。

確かに日本の会社は意思決定に時間がかかったりもしますが、絶対に約束を守るし、作品の質にもこだわりを持ち、なにより人と人との関係を大切にしています。世界の地域によっては、お金次第でビジネスをする冷徹なところもありますが、日本は信頼関係を大切にしているし、それはサウジ人やアラブ人とも同じメンタリティなんです。だから私たちは日本とのビジネスが好きですし、人と人との友情を大事にしています。

AnimeJapanに来たのも、ビジネスパートナーを増やすというよりは友人を増やすためです。これからのビジネスは、ぜひ日本の友人たちと一緒に盛り上げていきたいと思っています。

小新井 涼 アニメコラムニスト

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こあらい りょう / Ryo Koarai

アニメコラムニスト。北海道大学観光学高等研究センター研究員。博士(観光学)。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を10年以上継続中。様々な媒体へのコラムの寄稿や番組へのコメンテーター出演をする傍ら、学術的な観点からもアニメに関する研究をしている。近年はその知見を活かし、クランチロール・アニメアワードや声優アワードで審査員や選考委員も務める。著書に「鬼滅フィーバーはなぜ起こったか? データで読み解くヒットの理由」(インプレス)。

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